ムクナ豆は苗から育ていることもできます。ムクナ豆の栽培方法をまとめました。
自分でムクナ豆を育ててみようと思う方の参考になれば幸いです。
ムクナ豆は農薬や肥料をできるだけ使用しない自然と人にやさしい、持続型農業が期待できます。
20年前に東京農工大学の藤井義晴教授がムクナのアレロパシーに着目して農業に積極的に利用する研究をはじめ、国の研究事業としてもとりあげられました。現在では、丈夫で生育旺盛な性質を利用して中南米や中央アメリカの貧しい農家やアフリカで環境保全型農業として貧しい農村に広まっています。
ムクナは豆だけでなく、根・茎・葉にもL-DOPAが含まれているため虫に食べられにくい、周りに雑草が生えにくい性質があります。また、空気中の窒素を根と共生する根粒細菌がとりこみ利用するために痩せた土地でも生育することができます。次に植える作物の肥料を減らすことができ、根が深くまで伸びるため機械の重みで硬くなった土をやわらかくする働きもあります。ムクナを一緒に植えると同じ作物を続けて植えると増えるセンチュウを減らすことができる可能性が報告されています。
*藤井義晴(1990年)マメ科植物ムクナとは(1)(2)農業及び園芸 第65巻 第7号を参考にしました。
日本の農業の在り方が見直されている今、ムクナ豆を栽培してみて、ちょっとした可能性を感じました。
たくさんの生き物がつながりあって暮らすムクナの畑、昔は日本のどこでもみられたはずです。
江戸時代にはムクナ(八升豆)は田んぼの端等あちこちで栽培されていたようです。
人と自然にやさしいムクナの栽培がひろがって、そんな、光景を見たいものです。
和歌山県は、梅、みかん、柿、はっさく等の生産量が全国1位の和歌山県。豆類のえんどうも全国2位です。海岸線が600kmにもおよび、暖かい黒潮の影響を受け、沿岸部には年中とおして霜が降りない地帯もあります。日照時間も長く、かつては亜熱帯の植物も自生していました。このような気候条件は梅の栽培に適していて、日本一の産地になりました。インドを原産とするムクナ豆も育ちやすいはずです。あまり知られていないのですが、同じマメ科で霜に弱いえんどうも和歌山県は生産量が全国1位なのです。
和歌山県でムクナが栽培されたきっかけは和歌山県立医科大学のパーキンソン病治療の研究に和歌山県農業試験場が協力して試験栽培したのがはじまりです。
江戸時代までは八升豆として日本でも栽培されていたムクナ。そのムクナ栽培を日本一梅の里で復活させる試みをはじめました。
季節は11月、和歌山にも冬がおとずれました。
ムクナ豆の畑はどうなったのでしょうか。
葉はみんな散ってしまって、さみしい感じ。豆の莢だけが残っています。
莢が真っ黒で硬く、中でカラカラ音がすれば豆が成熟した証拠です。
収穫です。
この小さな粒から、また大きな木が育つのです。
梅が咲いて春が来て、桜がさいて散るころまでおやすみなさい。